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『中学生電気 ストーリーの中で学んだ知識は忘れない!』

学ぶことの目標ってなんでしょう?

 

2011年5月15日(月)

子どもたちに

「これって何のために勉強するの?」

と聞かれたことはありませんか?

私の運営する算数・数学教室でも、また息子たち(こうき中2、あきら小6)

からも、”気に入らない勉強”をしている時には必ずこの質問が

出て来ます。

私自身、子どもたちと接する機会が増えてからは、何のために

学ぶのかを真剣に考え、大学以来の認知心理学を勉強するようになり

ました。

 

例えば中学生の子どもたちに

「中間テストで良い点が取れるように!」

とすぐ目の前の目的を示すことは簡単なのですが、テスト以外の学びの

目的って何なのでしょうか?

大学合格が学びのゴールでしょうか? 

そんなことがゴールでないことは、私たち大人は知っています。

学びのゴール(例えば学校の授業の目的)は、時代によって変わって

きました。

21世紀の学びのゴールは「あいまいな未知のできごとに直面した

時に自分で判断を下すこと」(Talbert and McLaughlin,1993)

考えられています。

日本がかつて体験したことがない大震災に見舞われ、さらに原発の

問題を抱える今、非常に納得できる目標ですよね。

 

では、その学びはどうやってできるのか?

残念ながら日本の学校ではあまりそのことについて議論されません。

まだまだ、情報の暗記が中心になっています。

使える知識を持つためには、表面的な情報の暗記だけでなく(それも

ある部分は大切だけど)、重要な概念を中心にして、情報を体系立てて

知識を形作っていかなくてはいけないんですよね。

 

代表を務めるNPO法人センス・オブ・ワンダーでは、5月14日に中学生を

対象とした「電気の特別講座」を試験的に開催しました。

講師は東京大学大学院工学系研究科の二人(博士課程2年生の

日野さん、修士課程1年生の佐藤さん)です。

電気・・・う~っ、私嫌いだったんです!

概念がつかめなくて、表面的な情報の暗記で高校受験を乗り切った

のは、何を隠そう私です・・・(大学の二次試験に理科はなかったしなぁ)

その結果、体系立っていない私の電気の知識は、今となってはほとんど

役に立ちません。

高校受験はうまく乗り切れたにも関わらずです。

 

今回の「電気の特別講座」はこんな質問から始まりました。 

「家の中のコンセントはどのようにつながっているでしょう?」

 

< 黒板にかかれた質問 >

50s

 

 

参加したのは学校で電気を習い始めたばかりの中学2年生です。

「え~? どうなっているんだろう?」

とにかく線でつないでみます。

回答は大きくわけて2種類になりました。

 

< 中学生の回答 >

11051450

 

出てきた回答は直列並列でした。

「さて、どちらが正解でしょう?」

この答えと、その理由を知るためにこの講座は進んで行きます。

家の中にも大きな回路があるんですよね。

 

「電流って何でしょう?」

目に見えない概念を、日野さん、佐藤さんが分かりやすく図を書きながら

説明してくれます。

電子の動きと電流の向きが反対でややこしいのは、最初に電流を

定義した時には分からなかったからしょうがないんですね。

黒板に書かれた電子だって、ずっと見ていると見慣れてくるから

不思議です。

電流はよく水路を流れる水の量に例えられます。

一本道(直列)なら量は変わりませんが、枝分かれ(並列)すると

その量は減り、合流するともとの量に戻ります。

 

< みんなで回路を作ります >

11051450s

 

家の中が直列でつながっていたら・・・

実験してみよう!

11051450_3

 

「あれれ? 片方がとても暗いよ・・・」 

では並列につないでみると

11051450_2

 

「こっちは2つとも明るいね!」

 

ここで電圧を計ってみました。

「電圧ってなんでしょう?」

電圧は水路でいうと、水の落差に例えられます。

電池はその落差を生み出すもので、ポンプに例えられます。 

水路が分かれても、分かれた水路は合流する時には同じ落差に

なっています。

そうでなくてはつじつまがあいませんよね。

電流と電圧については、概念を学んだ後、回路に具体的な数字を入れて

みんなで計算をしてみました。

< 電圧を計ります >

11051450ss

 

 

学校では計り方だけしか教わらない電流計、電圧計

その仕組みを学ぶことで、どこにつながなくてはいけないかを

自分で考えることがでるようになります。 

この後も、思い思いに回路をつないでみたり、質問をしたりして

いました。

 

さて、最初に質問に戻ります。

「家の中のコンセントはどのようにつながっているでしょう?」

の質問に

「並列につながってる!」

と答えが出ました。

「もし直列だったら、それぞれの電化製品にかかる電圧が少なくなる

だけでなく、使ってないコンセントは回路としてつながらないよね。」

と日野さん。

「全てのコンセントに何かをつながないといけなくなるよ!」

と、節電からは程遠い話になりました。

 

このように、日常のストーリーの中で学んだ知識は忘れにくいのだ

そうです。 

じっくりと電流電圧の概念の説明をしたこの講座でしたが、きっと

この重要な概念を中心に、子どもたちは電気の知識を形作っていく

ことでしょう。

そうすれば、私のように丸暗記して、使えない知識だけが残ることもない

はずです。

頑張れ子どもたち!

 

こちらのブログは小学館の子育て情報サイト

ウェブeduでご紹介頂いております。

 

 

 

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