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『中学受験?それとも公立中学? 前編』

中学校を決める前に

2009年3月2日(月) 

 

子どもが小学校の3、4年生になると、中学受験か、それとも地元の

公立中学か、と考える時がありますよね。

この中学受験全盛期の時代、皆さんはどうやって子どもの進路を

選択しますか?

うちの息子たちは5年生と3年生。

長男(こうき 5年生)については、受験するのならもう踏み切らなくては

いけない最終決定の時期に来ています。

多くの人が選択に迷う中学受験。

我が家はどういう道筋をたどって、どのような選択をしようとしているのか、

ご紹介してみたいと思います。

 

私が最初に中学受験を考え始めたのは長男が3年生の時でした。

私自身は転勤族の家庭に育ったのですが、中学3年生で福岡に

落ち着き、公立中学、公立高校、国立大学へと進学しました。

私の行った高校は進学校だったので、私立の中学から受験し直して

高校へ入学してくる友達もいます。

その友達は中学3年間で高校一年生の範囲まで学んで入学してくる

ので、高校入学の時点ですでにスタートラインが違っているのです。

一方、公立中学育ちの私は、学校は目一杯!?楽しんでいましたが、

授業が成り立ったり成り立たなかったりする中学校の時間を少しだけ

もてあましていたので、そのもてあましていた時間に、もう少し何か学ぶ

材料を与えてもらっていたら、後が楽だったのにな~と、そんなことを

感じていました。

そういう自分の過去から長男の中学受験を考え始めていたのです。

 

長男については3年生、4年生、5年生と、それなりに自宅で中学

受験対策もしてみて、大手受験塾の入塾テストも受け、いつでも通い

始められる状況だったのですが、どうしても私が受験に踏み切れ

なかったのには理由がありました。

彼自身も「塾より外で友達と遊びたい!」と言っていましたしね。

 

一つは受験塾が教える内容についてでした。

受験塾は受験に合格することを目標としているわけですから

もちろん解答のテクニックを学ぶ場所なわけです。

問題そのものに疑問を感じたりせずに、とにかく上手に問題を

解くことを身につけなくてはいけません。

上皿天秤の使い方で、右利きだの左利きだの、そんな変な問題にも

疑問を持ってはいけないのです。

疑問を持ってしまう私は中学受験生の母には向いていない・・・

そんな気がしました。

でも、受験問題には、解いていくうちにそこから興味が広がるようなものが

あるのも事実です。

ただ私と長男が向いていなかっただけなのですけどね。

 

もう一つは、大切な子ども時代の時間受験勉強の時間引き換える

ほどの価値を、受験に見つけられなかったからです。

中学受験で得られるものはなんでしょう?

安心な環境でしょうか? 本当に安心なのでしょうか?

公立よりも先取りした教育でしょうか?

でもそれは家庭で与えられる環境かもしれません。

 

ではそれと引き換える大切な子ども時代の時間は・・・

 

外で体を動かして、走ったり転んだり、現実の世界を体で知る時間

です。

友達と喧嘩したり、仲直りしたり、約束したり守ったり、人との関わり方

を学ぶ時間です。

ゆっくりと家族で出かけて自然に触れたり、本物に出会って感動

したりできる時間です。

もしかするとその中から将来の夢が見つかるかもしれません。

実は立ち上げたNPOで開催したサイエンスカフェにお呼びした

ゲストスピーカーの方全てが小学生の時に今の仕事を目指す

きっかけに出会っていたのです。

それは家の近くの地層の断面だったり、宇宙飛行士さんの講演

だったりです。

 

そんなことを考え続けて踏み切れないまま、なんと3年も経ってしまい

ました。

そして最近あった二つの出来事から、長男は公立中学を選ぶことに

なりそうです。

もしも、地元の中学に行かせたくないから・・・という消去法で中学受験を

選ぶのなら、ちょっと待って下さい。

その前にやるべきことがあるかもしれませんよ!

 

次回は二つの出来事と公立中を選ぶ理由をご紹介したいと思います。

 

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コメント

受験と公立のどちらを選ぶかを、yasukoさんのような観点で考える親御さんは全体の何割だろう…と、ふと考えてしまいました。
身の回りのご両親を見ていると、怒涛のようなマスコミ情報に流されていて、本当に大切なものから離れてしまっているような気がしてなりません。
受験で得られる大切なものも、勿論あると思います。
一方で、
子供時代でこそ体験してほしいもの、そのための時間も大切にしたいなと私も思います。

後編も楽しみにしています。

投稿: silky-wind | 2009年3月 4日 (水) 09時43分

★silkyさん★
いつも温かいコメントをありがとうございます。
そうなんです。
受験で得られるもの、そして失うもの、両方あることをちゃんと考えなくてはいけません。
そして失うものは思っている以上に大きいものだということも。
後編、ちょっと待って下さいね。
毎日いろいろなことがありすぎて記事が追い付かないのです・・・

投稿: yasuko | 2009年3月 8日 (日) 14時16分

こんにちは!ムスメが中学生になり、自分のブログにはムスメの事や学校の事をすっかり書きにくくなってしまいました。sweat01

本来、私学に進路を求める場合(子どもが小さければ小さいほど)、学校の教育理念と環境で選ぶのが本筋と思っていましたが、実際中学受験の世界に入ってみれば、ほとんどを学力、というか、偏差値、で決めるようにすすめられるのに当惑しました。その学校の進学実績でもなく、偏差値、なんですよ。。。
その偏差値というのも、首都圏私立中高校では、ほとんどは前年度に東大に何人現役合格したかで上がったり下がったりするのですから、なんだか金融商品のように思えてしまった事すらあります。

うちの子たちの学年は「ゆとり教育」の集大成、なのですよね。ゆとり教育10年間によって欠如した部分をお受験塾で補い、中学校へ進んだ、という感があります。
得たものは、算数(数学につながるとよいのですが)の美しさをチラ見した事と、国語の読解でたくさん名文を読んだ事と、嫌いな事はサッサとやってしまう度胸を身につけた事、だと思います(笑)

本当は公立小中学校は地域の中心であるべきだと思うんです。私達の地元でも、サイエンスカフェほどには発展していませんが、区立市立小学校は地域の教育力を取り入れての活動が盛んになってきました。
学校を中心に地域社会が元気になれば、素敵な未来になりそうな気がしています。私も、まだまだ地元小学校との関わりから離れていませんよ〜。公立校には私立校にない、ふところの広さがありますもの。両方の良さを味わいたいのです(欲張りですね!)


投稿: ミサブレ | 2009年3月 9日 (月) 07時59分

★ミサブレさん★
丁寧なコメントありがとうございます。
そうですよね、受験になったとたん偏差値で振り分けられて機械的
になってしまいます。
 
>算数(数学につながるとよいのですが)の美しさをチラ見した事と、国語の読解でたくさん名文を読んだ事と、嫌いな事はサッサとやってしまう度胸を身につけた事
 
ミサブレさんのブログを拝見してて、中学受験の良さも感じて
いました。
周りの大人がどうやって受け止めてあげるのかも大事なのかも
しれません。
 
私はたまたまNPOを立ち上げて、もしかすると地域活性のお手伝
いができるかもしれない環境にいます。
今の恵まれた環境を自分の子どもだけでなく多くの子どもたちと
一緒に利用できればと思ってます。
そんな考えの人がいたっていいですよね!

投稿: yasuko | 2009年3月 9日 (月) 19時47分

自分のコメントを読み返してみて、伝わらないかき方だな〜と反省しました。
yasukoさんがなさっている活動は、地域活性そのものだと思います。
本当に、素敵な活動ですね!
保護者さんだけでなく、地域の方々の関心が学校に向いてくれば、子ども達は安心して地域で安心して勉強したり放、課後の時間を過ごす事ができるようになると思います。
サイエンスカフェをきっかけに、yasukoさんが関わっていらっしゃる学校が、地域の中心になりそうですね。色々な方が注目してくれると思います。なんだか、楽しくなって来ました。
silkyさんと同じく、後編を楽しみにしていますね!

投稿: ミサブレ | 2009年3月10日 (火) 20時37分

★ミサブレさん★
コメントいつもありがとうございます!
お返事遅くなってすみません。
地域活動はできる人ができることを少しずつしていくだけでも
結果的には大きく変わることもあるかもしれません。
私のできることなど微々たるものですが、子どもたちのために
少しずつでも進めて行こうと思っています。
また色々とご意見下さいね!

投稿: yasuko | 2009年3月14日 (土) 16時29分

今日、初めてこのサイトを見ました。年長の子供がいるのですが、周りは小学校受験をされる方も見かけられます。地元の小中学校が、段々荒れていて小学校は地元に通わしても、中学校は受験させた方が良いのか、とても迷っています。確かに、地元の友達との絆も大切で勉強ばかりと言うのも可哀想だし、でも私学と公立の小学校とでは、授業量が全然違うので中学の時点で随分学力の差がついていると聞くと、中学でしっかり学べた方が将来のためになるのではと考え込んでしまいます。さらに、学校選びも何を基準に選んでいいのか、本人の意思もまだわからないまま親だけが悩んでいます。

投稿: suzu | 2010年11月12日 (金) 12時29分

☆suzuさん☆
はじめまして。
子どもの進路、親ならだれでも悩みますよね。
今は子どもさんは年長さんなのですね。
以下のことが参考になればと思います。

○小学校と中学校の状況は変化します

学校は2年で様子が変わります。
今長男が通う中学は2年前は大変荒れていました。
学校の組織は「なべぶた」と言われていて、校長先生がどのような方針で運営するのかで、短時間で組織の状況が変わります。
校長先生自身がそのようにおっしゃっていました。
長男の中学校は、今の校長先生になって、1年目はまだ大きな変化はありませんでしたが、2年目で部活動も盛んになり、進路状況も見違えるほどよくなりました。
でも逆もあるわけですから、急に荒れることも考えられます。
人の噂に惑わされず、ご自身が校長先生会いに行かれるとよいと思います。
どこまでの環境ならよしとするのか、どこからは公立を諦めるのか、ご自身で基準が必要だと思います。
でも、まだ今聞いても変わってしまいますね!
 
○公立中学と私立中学の授業量の差

確かにそれは数字にも表れていますよね。
ですが、suzuさんはお子さんにどんな教育を受けさせ、何を目標にしようとしていますか?
親であれば、受験の壁を突破することだけが目標ではなく、将来自分の好きなことを見つけ、それで食べていけることを望むのかなと思います。
私の場合はそうなのですが・・・

受験の壁

例えば東大を目指すとします。
でも、東大を目指せる高校の受験を突破するために、中学時代から睡眠を削って勉強しなくてはいけないなんてことはないでしょう。
余裕を持って頑張れなければ、高校に入ってから落ちこぼれてしまいます。
 
授業時間
 
授業時間が少ないということは、もっと視野を広げたり、体力をつける時間が持てると考えられませんか?
土曜日がお休みなら、部活に精を出したり、家族で科学館や美術館にでかける時間もできます。
その中から、自分の夢が見つかるかもしれません。
一緒に大学を見学に行ったりするのもよいですよ!
関東にお住まいでしたら、東京大学の五月祭がお勧めです。
 
私は、仕事の関係で、東大工学部のゼミに関わっていますが、彼ら、彼女らがいつも言うのは「勉強は自分でするしかない」ってことです。
学校の環境も大切ですが、その差よりも、自分で家でどれだけ集中して取り組めるかとか、親がどれだけ様々な体験をさせてあげられるかが大きいようです。
 
一つ言えることは、公立の方が親が関わってあげた方がいい、というか親次第でどうにでもなるということです。
 
東大生からのお話を次の記事に書いてみたいと思ってます。

投稿: yasuko | 2010年11月12日 (金) 14時04分

yasuko さん、

 「中学受験か、公立校か」、拝読できてよかったです。心から同感です。

 子どもは、小学校の吹奏楽部で、音楽三昧の日々を送りました。先輩や友達がたくさんいる、地元の公立中に行きたい、という子どもの希望に、ちょっと残念だな、と思いながらも、納得していたつもりでした。

 ところが、ここのところへきて、クラスメートの受験結果が伝わるたびに、我が家の選択がはたしてよかったのか、と、少し揺らいで自信をなくしそうになっていました。
 ちょっとがんばって人気の公立中高一貫校に行っておけば、それなりのステータスも得られて、後で楽だったんじゃないか?とか、
子どもは置いてけぼりになったのではないか・・・? などなど。

 そうですよね。小・中学校は、いろいろな人に出会って、人と人として、どう付き合っていくのか、を学ぶところです。また、地域に見守られて、友達の親にも支えられて、子どもたちが安心してのびのびと過ごすなかで、自ら、知りたいこと、学びたいこと、やってみたいことに手をのばしていけばよいのですよね。
 そのためにこそ、親が子どもをよく見て、必要とされている環境や
刺激を、何気なく、整えてやればよいのですね!

 3年間、純粋に音楽に浸って、仲間と心を通わせながらハーモニーを創りだすことができたこと。
 受験塾通いの生活からは得られませんでした。

 子どもに、将来どのような大人になってほしいと思うのか。
 単に、受験に勝ち抜いてくれればそれでよいのか。

 親がブレないように気をつけたいです。

 yasukoさん、そしてこうき君の選択に、大いに励まされました。
 重ねて、ありがとうございました。
 
 そして、これからも、支えてください。素晴らしいNPOのご活動、応援いたします!

 

 
 

投稿: るるど | 2011年2月16日 (水) 01時22分

☆るるどさん☆

はじめまして。
コメントありがとうございます。
私自身が思い悩み選択したことが、少しでもご参考になったのでしたら、記事にした甲斐があります。
 
うちの長男(こうき)は現在中学1年生です。
こうきは幸運にも学校にも先生も恵まれていますが、公立中学は、残念ながら当たり、はずれはあるのだと思います。
やる気のない先生や、教えることが上手ではない先生ががいるのも事実でしょう。
でも、どのみち、大人になれば、整わない環境の中で実力を発揮していかなければいけないのですから、それも社会勉強の一つと思っていればよいのではないかと、今も思っています。
いたれりつくせりではない分、自分で解決し、学んで行くことも多いのですよね。
 
中学受験をするのか、公立中学なのか、それはどちらも一長一短なのでしょう。
ただ、公立中学は「宣伝」をしませんので、一方的に中学受験をするほうが優秀で、将来が約束されているかのように感じる方も多いかもしれませんね。
でも近い「将来」についていえば、東大の工学部生と話していると「受験塾で聞いた話とは違うのでは?」と思ってしまいます。
彼ら、彼女らは、御三家から来た学生もいれば、地方の公立高校から来ている学生もいますし、一度も塾に通ったことがないという学生も何名かいます。
ただ、共通点は親が関わり続けてきたということのようです。
 
公立中学を選択した我が家としては、もっと皆さんに公立中学でしか得られないものを伝えていきたいと思っています。
 
是非また遊びに来てくださいね。

投稿: yasuko | 2011年2月16日 (水) 09時58分

yasukoさん、

 温かいお返事、ありがとうございました。

 そうですよね。公立中学は「宣伝」をしませんよね。

 毎朝大量に届く、受験塾の折り込み広告に比べると、
「あそこは、こじんまりして落ち着いているらしい」などのささやかな
口コミは、インパクトに欠けています。

 yasukoさんから教えていただいて、はっと気がつかされたのは、
「親のかかわり方」の大切さです。

 学校や塾や先生に、子どもの将来をすべて委ねる必要はないし、また、委ねることはできないのですね。

 子どもが幼い時代よりも、むしろ、年齢が上がってからの方が、
親が子どもの成長に占める影響が大きいこと、本当にありがたい気づきでした。

 これから公立中学に進む子どもを、さりげなく、でも、丁寧に見守って、必要な環境を与えてやりたい、と思いました。

 とても、あたたかい、確かな気持ちです。

 これからも、親のかかわり方について、より詳しくお教えください。

 重ねて、ありがとうございました。


 

 
 

  

投稿: るるど | 2011年2月16日 (水) 10時44分


大切な子ども時代の時間と受験勉強の時間を引き換える

ほどの価値を、受験に見つけられなかったからです。

ありがとうございます

この言葉に気持ちがスッキリしました

娘も今を楽しく何事にもイキイキ頑張ってます!

投稿: | 2013年2月 5日 (火) 14時03分

☆上にコメント下さった方☆

ありがとうございます。
中学受験も中学受験しない選択も、一長一短だと思っています。

ブログに書いている長男のこうきは今は中3の受験生です。
中3の引退までバスケに打ち込み、今は第一志望の公立難関校に向けて今までのエネルギーをすべてそこにつぎ込んでいるようです。
人にさせられているわけではないので、ものすごい集中力を発揮しています。

我が家は小中と多くの子が塾へ行く時間を、親子ホームステイや、科学館見学、友達との外遊び、ときには友達と喧嘩したりと、そんな風に過ごしてきました。
こうきは今、高校受験突破も、大学受験突破も、それ自体が目標ではないようで、海外の大学へ行ってバスケをして、さらに何か学びたいこともあるようです。
そういう考えを持てるようになったのは、塾へ通う時間を、親子で、友達で過ごす時間として有意義に使えたからなのではないかなと思っています。

中学受験をしない選択は勇気がいるのかもしれませんが、受験をしないという選択でしか手に入れられないものがあることをお伝えしたくて記事にしました。

投稿: yasuko | 2013年2月 5日 (火) 14時25分

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